歴史を紐解いてみると、女性の美しさというのは流行に左右されることがその本質であるということが分かります。100年前とは美しさの基準が大きく異なっていて、現在では到底美人に当たらないような人が美人として扱われていることからわかるように、時代によってその本質が大きく変わっていることがよく理解できるのです。

現代における日本人の美しさの基準は、ぱっちりとした二重まぶたに小さな顔、それに色白の肌が条件になっています。女性向けの美容雑誌を紐解いてみても、今挙げた条件が可愛い女性の要件を構成していることが分かります。

他方で、100年前の大正時代には、涼やかな切れ長の目元に、瓜実顔という面長の顔が美人の要件とされていました。小顔がもてはやされて二重が美しさの最重要ポイントと言われている現代においては、考えられないような条件が美人とされていたことが分かります。

男女平等社会が当たり前の現代社会

さらに、美しさの基準というのは、社会情勢によっても大きく異なります。現代社会は男女平等社会が当たり前であり、女性の社会進出が進んだ時代です。ところが、100年前は女学校への進学も少なく、お勤めをする女性というのもあまり見かけませんでした。

女性の社会進出などが考えられない時代だったため、女学校在学中に縁談が決まると、学校を中退して嫁入りの準備をするのが当たり前の時代だったのです。そのような時代背景もあり、女性は結婚をしたら婚家に使えるという考え方が強く、あまり自己主張をせずに控えめで従順な女性が好まれる傾向にありました。

現代社会に置いては、男女平等社会なので、社会的な地位を確立するためには男性と肩を並べて働き、自分の主張をはっきりとすることが女性が社会で働く上では求められる条件となっているのです。

このように、歴史的に見ても女性の美しさの本質というのは社会的環境により大きく変化を遂げてきました。たった100年で女性を取り巻く環境は変容したのです。